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海賊宇宙船地球号獄中記

読書まとめ 1995生

影響力の武器 part 4 社会的証明、好意、連合

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 ・社会的証明の原理・・・特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断する。

 例:録音された笑い声、製品の誇大広告、恐怖心の除去(海を怖がる子供に同年代が海で遊んでいる映像を見せると、その子は海に対する恐怖を柔らげる)

 発動条件:①自分に確信が持てなくなったとき ②状況に対する馴染みのなさ

 これらの発動条件を集団で満たせば、集合的無知の完成。例:火事が起こっているのにみんなが誰かがやるだろうと思い、誰も通報しない。

 集合的無知の発動理由:①責任の分散 ②社会的証明を探している(誰もやっていないことを自分だけやるのは憚られるので誰かがやるのを待っている)

 効果が強くなる条件:①不確かさ ②類似性(自分と似た人間の行動を真似る)

 ウェルテル効果・・・自殺報道があって数日は自殺が増える。若者が自殺した場合は若者の自殺が増え、老人が自殺した場合は老人の自殺が増える。

 防衛法:類似した他者が行っているあきらかに偽りの証拠に対して敏感であること。自分の行動を決定する際には、類似した他者の行動だけを決定の基礎にしないこと。

 

 

・好意・・・人は自分に好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある。

好意を抱く原因

  1. 外見的魅力:ハロー効果・・・ある人が望ましい特徴を持っていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受ける。
  2. 類似性:自分ににている人を好む。似通った経歴や趣味を強調すれば好意をもらいやすい。
  3. お世辞:お世辞とわかっていても純粋な好意を向けられるとその相手に好意を感じやすい。
  4. 接触頻度:馴染みのあるものに好意を抱きやすい。逆に、競争相手として接触する回数が増えると憎悪が強まる
  5. 協同:同じ目標に向かわざるを得なくなったときに人は団結し、その結果、勝利や何かを達成すると、協同した人間に好意を持つ。

例:優しい刑事と怖い刑事・・・初めに怖い刑事が容疑者に難詰し、しばらくしたら優しい刑事が助け船を出す。好意+知覚のコントラスト+返報性が使われ、容疑者が告白しやすくなる。

 

・連合・・・その出来事の善し悪しと関連があるだけで、その人物の善し悪しも結び付けられる。例:敗戦の伝令を持っきた人物は殺される

 栄光浴:好ましい事象を自分と結び付けて同一視する。例:応援しているスポーツチームが勝ったら、自分の勝利のように思う。逆に負けた場合は自分との同一視を切り離す傾向にある。否定的な自己イメージを持ち、自分ひとりでは問題解決できない人間にこの傾向は強い。

 防衛法:不当な好意が生み出されたとき注意する。承諾誘導する内容とその相手に対する感情を分離する。

 

 

影響力の武器 part 3 コミットメントと一貫性

 

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 ・コミットメントと一貫性・・・ひとたび決定を下したり、ある立場を取る(コミットする)と、自分の内からも外からもそのコミットと一貫した行動を取るように圧力がかかる人間の心理。             

 メリット:①一貫性を保つことによって社会から高い評価を受ける。②以前の決定と一貫性を持つことで将来類似した状況に直面したときに、関連するすべての情報を処理する必要がなくなる。

 デメリット:この心理を知っているものに考えなしの反応をさせられる。

 用例:12月のクリスマスに向けておもちゃのCMを流す➡子どもが親におもちゃをせびり、親はおもちゃを買うことを約束➡おもちゃ会社は12月には目玉商品を少ししか卸さず、わざと売り切れにさせる➡親は子どもに「おもちゃを買ってやる」と約束(コミット)した手前、何も買わないわけにはいかず、代わりのおもちゃを買う➡おもちゃ会社は12月に宣伝したおもちゃの残りを1月に卸す➡親は約束したこのおもちゃを買う。これでおもちゃ会社は2倍の利益を得ている。

 コミットさせれば望むような形に相手の自己イメージを変え、その人は新しい自己イメージと一貫したあらゆる範囲の要求を受け入れる。まずはコミットさせることが重要なので、小さな要求の飲ませ(ここで自己イメージの変容が起こる)、関連する大きな要求を飲ませる(段階的要請法)。

 影響を及ぼす条件

  1. 行動を含むこと・・・例:作文を書かせる。ある行動をとったという物理的な証拠になり、これが自己イメージの変化を及ぼす。文章になった意見はほかの人々に見せることができる。ほかの人々に意見を書いた人間がその内容を心底信じているのだと説得できる。人には、書かれた意見は書いた人の本心とみなす、という生来の傾向がある。
  2. 公表されること・・・公表されると、一貫した人間に見られたいがために、公表した立場を維持しようとする。プライドや公的自意識が高い人に有効。
  3. 努力を要すること・・・コミットメントに労力が投入されればそれだけコミットした人の態度に影響する。例:興行会社が料金を提示しないことがあるのは、料金を調べた時点でコミットを獲得できるから。
  4. 自分の意思で選ぶこと(自分で選んだと思わせても可)・・・人は自分が外部からの強い圧力なしにある行為をする選択を行ったと考えるときにその行為の責任が自分にあると考える。

 ビジネスの例:承諾先取り法・・・相手にとって有利な条件を提示して喜んで買うという決定を誘い出す➡契約完了までに有利な購買条件を巧みに取り除く(マイナスを付け加えても同じ)➡客は自分の判断を正当化するために新しい理由を自分でつくり、その条件でも購入する。

 防衛法:一貫性はほとんどの場合に生活に役に立つので一貫性を極度に忌避すべきではなく、避けるべき一貫性もあると意識するにとどめる。

 引っかかりやすいタイプ:一貫性を重視する、老人、個人主義者。

part4に続く......

                       

影響力の武器 part 2 返報性

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

 ・返報性の原理・・・固定的動作パターンの一つ。他人がこちらに何かの恩恵を施したら、自分も似たような形でそのお返しをしなくてはならない、という気持ちになる。

 発生原因・・・人間の社会は相互扶助なので、恩を返さないと不快になるように条件付けられた。返報性の原理を守らない場合、「恩知らず」のレッテルを貼られることがあるので、これを防ぐためでもある。(お返しを認めない人も嫌われる可能性がある)

 メリット・・・自分の与えたものが無駄にならないと分かっていれば、自分が他人に何かを与えることを躊躇しない。これにより相互依存性をもたらし社会を発展させる。

 デメリット・・・返報性の悪用。恩義を感じさせることで儲けをたくらむ相手にだまされてしまう。

 用例:試食、試供品・・・客にちょっとしたオマケやプレゼントを渡すだけで、売れる見込みのなかった商品やサービスが売れる。

 特徴

  1. 威力の大きさ・・・相手の好き嫌いを超越し、普段は断ることでも受けてしまう。
  2. 余計なお世話をされた場合でも恩義を感じてしまう・・・罪悪感を植え付けてコントロールする手口に使われる。例:「生んでやったんだから親の命令に従え」返報性を学べばこのことばがただの詐欺だと分かるだろう。「理由になってない」の一言を返すべし。
  3. 不公平な交換を助長する・・・恩義を受けっぱなしにしているという不快な感情を除去したいがために、お返しに、それよりもかなり大きな頼みを受けてしまうことが多い。

応用例:「拒否されたら譲歩」(譲歩的要請法)・・・最初の要請を拒否された場合、こちらが譲歩して、返報性を利用して相手にも譲歩させる。最初の要求を大きくすることで(大きすぎると逆効果)、知覚のコントラストと併用できる。最終的な決定は相手の譲歩で終わるため、交渉を終わらせた満足感と責任感で将来の同じような要求も通りやすくなる。

防衛法:相手の親切や要求が、ただの親切か計略か分からないので、とりあえずもらえるものはもらい、計略と分かったときにそれを計略だと再定義して、自分が何もお返しをしていない、という罪悪感を消す。 

 

part3に続く......

 

 

 

 

 

 

 

 

けものフレンズ ジャパリパークの英雄伝説

 けものフレンズが終わったので3つの観点から考察や今後(続編があるそうなので)の妄想をやってみようと思う。3つとは、<貴種流離譚>、<ガリヴァー旅行記>、<アリストテレス>だ。

貴種流離譚 ・・・貴種流離譚民俗学者折口信夫が物語の一類型として提唱した概念。各地の神話で見られ、多くの物語もこれを参照している。以下wikiから引用開始。

大塚英志の著書『物語の体操』では、以下のように定義される。

  1. 英雄は、高位の両親、一般には王の血筋に連なる息子である。
  2. 彼の誕生には困難が伴う。
  3. 予言によって、父親が子供の誕生を恐れる。
  4. 子供は、箱、かごなどに入れられて川に捨てられる。
  5. 子供は、動物とか身分のいやしい人々に救われる。彼は、牝の動物かいやしい女によって養われる。
  6. 大人になって、子供は貴い血筋の両親を見出す。この再会の方法は、物語によってかなり異なる。
  7. 子供は、生みの父親に復讐する。
  8. 子供は認知され、最高の栄誉を受ける。

引用終了

 

かばんを英雄としてこの物語を考えて順に見ていこう。

 

1・・・かばんはジャパリパークのガイド、ミライの毛髪にサンドスターが反応したことにより、ヒトのフレンズとして生まれた。

 

 ミライはパーク内やフレンズたちのことを熟知していたり、パークの危機のときは避難を誘導していたりとジャパリパーク内ではフレンズたちを統率する王とも言える権能を持っている。故に、その遺伝子を受け継ぐかばんは誕生した瞬間に並々ならぬ宿命を背負わされたのである。

2・・・サンドスターがミライの毛髪に接触できたのはミライが観覧車に乗っていたときに風に吹き飛ばされたから。偶然の出来事によってかばんは誕生したのだ。本来生まれるはずがない命である。旧約聖書モーセもファラオのヘブライ人の赤子皆殺計画を運良く逃れ成長した。英雄は誕生の時点から万人とは何か違う逸話を持つ。

3・・・かばんの誕生は別に予言されていない。図書館にある本にパークの危機が到来したときに現れる救世主伝説、なんてものはなかった。

4・・・ミライの毛髪はぼうしの中に引っかかっていた。桃太郎の桃の役割をぼうしが担っていたので当てはまる。

5・・・一人自分が誰かもわからずにいたかばんを導き育てたのは雌のサーバルキャットことサーバルだ。

 

サーバルはジャパリパーク内を熟知しており、かばんの自分探しの旅を助ける。その姿はあたかも『神曲』で人生の道に迷ったダンテを地獄・煉獄・天国・の三界を巡る旅に導く古代ローマの詩人、ウェルギリウスのよう。

 

6・・・かばんが大人になるまでは描かれていないので、2期に期待だ。かばんがヒトをしてヒトたらしめるヒトの歴史を知ったとき、どうするのか・・・

7・・・ヒトの歴史を知ったとき、かばんはヒトに反逆するのかしないのか。かばんの親は広義的に見ればヒトの技術そのものだ。

8・・・かばんに親はいないのでここでは少し違うはなしを。セルリアンに飲み込まれたかばんは『ヒトのフレンズ』からヒトに戻った。これは神学的な見方ができる。旧約聖書のヨナはくじらの腹に呑み込まれ再び帰還することにより預言者としての資質を得る。イエスも一度死んでよみがえる。ドラゴンボールの悟空も一度死んで蘇り、仲間の危機を救う。英雄は一度死んで、蘇って完成され、仲間から賞賛される。

 貴種流離譚的に見ればまだ後半の3つを解消していないように思う。かばんは自分が『ヒト』であることは分かったが『ヒト』が何かは具体的に知らない。単に、知恵がまわり道具を使える動物ぐらいにしか思っていない。今後はかばんがヒトが何かを探す旅になるのだろうか。

 

ガリヴァー旅行記 

 

ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)

ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)

 

  ガリヴァーが最後についた島、フウイヌム国は理性的に発達した馬のフレンズ(違う)が支配する国だ。

ガリヴァーはヒトとフウイヌム(馬人間)とを比べてフウイヌムのほうが優れているとして、人間社会に戻っても馬のような暮らしを好んだという。ガリヴァーはこの行動から周りにに気が狂っていると思われた。このことから考えるに、フレンズの社会に慣れ親しんだかばんが生き馬の目を抜くような人間社会に馴染めるかは大きな疑問である。ガリヴァーの二の舞ににならないといいが。

 

アリストテレス

 アリストテレスは何事にも目的があると考える古代ギリシャの哲学者だ。アリストテレスは、動物は人間に支配されるために存在し、人間に使役されることが動物にとっての幸福と考えた。つまり、家畜は人間に食べられるのが幸福であるとアリストテレスは言う。かばんがギリシャ哲学にかぶれた場合、フレンズたちは「食べないで」と、かばんに向かって泣き叫び、懇願することになるだろう。

 サーバル「食べないで…友達でしょ…」

かばん「フレンズは人間より下等な動物という存在由来であり、フレンズも人間に服従することは自然に従っている。であるからして君たちがぼくに心地よいことをするのは自然なふるまいであり、自然なふるまいは善である。フレンズは明らかに人間より理性の点で劣っている。理性だけが神的なものに触れることができるので、非理性が理性の下位におかれるのは自然で善なふるまいなのである。君は確かにぼくの友達である。友達には快を味わってもらいたいと思うのは自然であり善である。以上のことが明らかになったので、ぼくは君を食べる」

 さすがにこんな展開は炎上ものだ。

 

 このように「けものフレンズ」は多様な解釈や妄想に耐えうる作品であり、かつ何も考えずにフレンズたちの愛らしい様子を観賞するだけても満足できるものなのだ。1話でサーバルが放ったセリフ、「フレンズによって、得意なことは違うから!」はこのことを意味している。

 

 

 

 

 

影響力の武器 part 1

 

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

  生物にはいくつかの行動パターンが入っていて、特定の信号刺激を受けると、それに応じた個々の行動が常に同じ形式同じ順序で起こる。これを「固定的動作パターン」と言う。

 例:七面鳥はピーピー泣くというだけで天敵を抱きしめ、ピーピー泣かないというだけでヒナ鳥を虐待したり殺したりする。偽の信号刺激を利用して敵をおびき寄せて捕食する虫もいる。

 固定的動作パターンは人間にも当てはまる。人間に見られる主な例は

  • 理由を添えると頼みごとが成功しやすくなる・・・「お願い」+「理由」の効果は絶大。「~ので」と理由を添えるだけで要求が通る確率が上がる。
  • 高価なもの=良いものと思う・・・売れ残った商品は値段を上げたほうが売れる。失敗しても値下げして本来の価格で売れる。
  • 権威への盲従・・・社会的地位の高かったり、「~の専門家」とつくと、その人物の発現を批判なしに受け入れてしまいやすい。
  • 知覚のコントラスト・・・二番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう。これを利用したマーケティングの例:先に高いものを買わせると、次に買うものがそれに比べて安いと錯覚して買ってしまう。

 固定的動作パターンの動物と人間の違い

  • 動物は生まれつきにより、人間は学習による。
  • 人間は動物と比べてパターンに融通性が高く、引き金となる刺激の数も多い。

 固定的動作パターンは、複雑な環境に適応し効率よく生活するために発達した「思考の近道」。今までの経験から考えなくてもおよそこうしたら正しいだろうということを反射で行えるので生活には欠かせない機能。しかし、これを利用されると、パターンを熟知しているものに操られて都合のいい反応を引き起こされかねないので危険。企業のマーケティングにも使われる。社会が複雑になるにつれて深く考えず、経験則で即断しがちになる。

 part2に続く......

 

プラトン・『国家』の教育 Education is brainwashing.

 

国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈上〉 (岩波文庫)

 

  哲学者プラトンが理想の国家について論じた書。原始共産制階級社会であり、元祖、全体主義ディストピア。国家を一人の人間とみなし、個人の幸福より全体の利益が優先される。

プラトンの理想とする国家の構成員は、魂の3分説(理性、気概、欲望)に倣って、3階層制

  • 守護者(哲人王)ー理性
  • 補助者(戦士)ー気概
  • 職人―欲望

 守護者や補助者の教育、出生は国によって徹底的に管理される(人口調整)。

 「最もすぐれた男たちは最もすぐれた女たちと、できるだけしばしば交わらなければならないし、最も劣った男たちと最も劣った女たちは、その逆でなければならない。また一方から生まれた子供たちは育て、他方の子供たちは育ててはならない」国の管理外で出生を行った場合、忌み子として隠される(おそらく抹殺)。生まれつき体の弱い子供も抹殺。(優生学)。 

 守護者、補助者たちは、私有財産の禁止、妻子の共有、これにより階級の世襲の禁止。哲人王の息子でも能力がなければ職人になる。これらのことは支配側が被支配側に巧妙なくじによって行い、彼らに自分で選ばせたと錯覚させる(共産主義)。

 国家の構成員は皆、喜びや悲しみを共有しなければならない。みんなが悲しんでいるときに悲しまない人間、みんなが喜んでいるときに喜んでいない人間は非国民(全体主義)。

 

 守護者、補助者たちの教育法

  • 物語による教育、「物語によって彼らの魂を造型する」・・・幼い子供に親は物語を読み聞かせる。幼年の魂には捺そうと望むままの型が捺され、この年頃に考えたものは消したり変えたりできないので、物語の内容が戦士や支配者にふさわしいものかの検閲を行う。例えば、物語の中で、英雄が死後の世界を恐れている場面➡死を恐れないように死後の世界を賛美するよう改変。死後の世界にある河、『コキュトス』(嘆きの河)や『ステュクス』(憎悪の河)は名前が恐ろしく死後の世界に対する忌避感を招くので、反対の特徴を持つ名前に改変する(ダブルスピーク。『1984年』では戦争を管轄する省の名前が愛情省)。英雄が嘆き悲しむ場面も削除。余談だが、マクドナルドも幼少期に味の刷り込みを行うのが戦略。

    マクドナルドの研究(2)

  • 音楽による教育、「リズムと調べというものは、何にもまして魂の内奥へと深くしみこんで行き、何にもまして力強く魂をつかむ」・・・音楽も物語のときと同様に歌詞、音階、拍子・韻律が検閲の対象となり、なよなよしたものは排除され、戦士や支配者にふさわしい音楽だけを聞かせる。(洗脳だ。音楽はトランス状態を呼び起こし、理性を奪う)。

  • 賤しいものごとを真似をしないようにする・・・賤しい(職人、手仕事に従事するひと)。階級制ではなく分業制かとも思ったが、明らかに職人を蔑視しており、「種族」などの不穏ワードがあったので、階級制だと確信。

  • 体育・・・スパルタに倣って、男も女も裸で体育。男女平等、女も哲人王になれる。

  • 戦争の見学・・・戦士たるもの幼少期から戦場に慣れておくべし。もちろん保護者同伴で戦いには参加しない。

 これらの教育を行ったあと、哲人王になるための教育(数学、哲学)や試練を課す。全ての工程が終わり、哲人王になれるのは50過ぎ(遅っ)。

 プラトンは民主政により師のソクラテスが死刑にされたので、民主政を嫌い、選ばれた人間で愚民を支配しなければならん!という発想に行き当たったものと思われる。たぶんソクラテスは哲人王になんかなりたがらないだろうが、プラトンは『国家』の内容をソクラテスが語るという体裁にしている(どんだけソクラテスが好きなんだ...)。

ちなみに米国トップ大学10校の課題図書ランキング
1位『国家』プラトン
2位『文明の衝突』サミュエル・P・ハンチントン
3位『英語文章ルールブック』ウィリアム・ストランク・Jr.ほか著
4位『リヴァイアサン』トマス・ホッブズ
5位『君主論』ニッコロ・マキアヴェリ
6位『アメリカの民主政治』DE・アレクシス・トクヴィル
7位『正義論』ジョン・ロールズ
8位『バーミンガム刑務所からの手紙』マーティン・ルーサー・キング・Jr.著(未邦訳)
9位『自由論』ジョン・スチュアート・ミル
10位『つきあい方の科学』ロバート・アクセルロッド著

courrier.jp

 

1位『国家』プラトン著   あっ・・・(察し) 

 

 

個を殺す無貌の群体 Crowds

 

群衆心理 (講談社学術文庫)

群衆心理 (講談社学術文庫)

 

  人間は集団になると一頭の獣になる。ル・ボン曰く、『群衆に幻想を与える術を心得ている者は、容易に群衆の支配者となり、群衆の幻想を打破しようと試みる者は、常に群衆のいけにえとなる』。調教するか、喰い殺されるか。

 単に個人が多数集合するのみではなく、個人の観念や感情が一定の方向に転じ、個性が消滅している状態が心理的群衆と呼ばれる。群衆の性質は集団間の人間の平均ではなく、新たな「群衆心理」と呼ぶべきものを獲得することでバラバラの個々人から単一の存在になる。群衆心理の特徴、

  • 大勢の中にいることで責任の観念がなくなり、専ら本能的なものに支配される。孤立していたときは教養がある人でも、群衆に加わると野蛮人と化す。個人でいたときの無力感は消え、絶大な暴力の観念が現れる。平時は温和な市民も群衆心理の中にあるときは、容易に虐殺をやってのけたり、集団の目的のために自己犠牲を躊躇しなくなる(例、殉教など)。
  • 精神的感染・・・集団間の行動、思考を模倣するようになる。
  • 被暗示性、つまり、操られやすく、信じやすい状態になる。論理的思考は消え、感情と無意識に支配され衝動と暗示に隷属する自動人形が出来上がる(平時でもこの種の人間は存在する)。この無意識を動かすのが心象〈イマージュ〉である。事実は論理的思考による推理を経ずに心の中で好き勝手に解体され心の受け取った感情で事実を歪曲する。さらに精神的感染により集団間にこの心象は伝播する。

 これら群衆の特徴をふまえた上で指導者が人間を群衆として支配下に置く方法、

  • 信念の創造・・・ばらばらの集団を一定の方向に向かせるには、彼らが信じやすい信念を用意してやる必要がある。小難しい哲学ではなく、宗教的感情を呼び覚まし、心象に刻まれるものがいい。群衆が犯罪行為を行ったとしても罪の意識は感じず、集団内でよしとされていることを実行し、義務を果たした、という思いがあるだけ。
  • 断言・・・証拠や論証を伴わない無条件的な断言が、群衆の心にしみこみやすい。心象に働きかけ、想像力を喚起させるために、言葉を選ぶときはあいまいな言葉がいい(例、平等、自由など)。強烈な感動を加えることで群衆心理を起動させることが可能、言葉ばボタンであり、どのボタンを選ぶかで群衆を操作する。筋道立ったはなしより感情に訴えたほうが群衆を扇動するには効果的。政治の混乱や、信念の変化が起こった場合、ある言葉によって呼び起こされる心象に対して、非常な反感を引き起こすときがある(群衆心理の洗脳の解けかけている状態)。そんなときは事物に修正は加えずに、その言葉を、親しみやすいもの、偏りのないものに変更することで対処する。ジョージ・オーウェルの小説、『1984年』でダブルスピーク - Wikipediaという方法が使われているのが好例(ダブルスピークは現実でもよく使われる。リンクを参照)。このように、無防備なこころにとって言葉は魔術である。
  • 反覆・・・断言を反覆し強化。1度言われて信じないことも100回きかされると信じてしまう。
  • 感染・・・人間の模倣性を利用。皆が模倣できるように群衆が抱く信念は簡潔明瞭でなければならない。少数の賢い人間の考えが世論にならないのは小難しくて論理的思考を必要とするので感染力がないから。断言と反覆が集団内で了解され、意見の趨勢ができる。

 ル・ボンは民衆が余計な知恵をつけないようにと、学校教育を否定し職業の訓練だけしろと言ったり、実に西洋的な思想を披露している。フランス革命時の群衆の力に恐怖して、群衆を統治、操る方法もご丁寧に書いてくれている。群衆を統治する方法は今でもマスコミや広告会社、カルトが使うので注意が必要だ。

 参考動画

www.youtube.com