海賊宇宙船地球号獄中記

1995生 Even if my body is no longer and it becomes the enumeration of words, I certainly stayed here.

プラトン・『国家』の教育 Education is brainwashing.

 

国家〈上〉 (岩波文庫)

国家〈上〉 (岩波文庫)

 

  哲学者プラトンが理想の国家について論じた書。原始共産制階級社会であり、元祖、全体主義ディストピア。国家を一人の人間とみなし、個人の幸福より全体の利益が優先される。

プラトンの理想とする国家の構成員は、魂の3分説(理性、気概、欲望)に倣って、3階層制

  • 守護者(哲人王)ー理性
  • 補助者(戦士)ー気概
  • 職人―欲望

 守護者や補助者の教育、出生は国によって徹底的に管理される(人口調整)。

 「最もすぐれた男たちは最もすぐれた女たちと、できるだけしばしば交わらなければならないし、最も劣った男たちと最も劣った女たちは、その逆でなければならない。また一方から生まれた子供たちは育て、他方の子供たちは育ててはならない」国の管理外で出生を行った場合、忌み子として隠される(おそらく抹殺)。生まれつき体の弱い子供も抹殺。(優生学)。 

 守護者、補助者たちは、私有財産の禁止、妻子の共有、これにより階級の世襲の禁止。哲人王の息子でも能力がなければ職人になる。これらのことは支配側が被支配側に巧妙なくじによって行い、彼らに自分で選ばせたと錯覚させる(共産主義)。

 国家の構成員は皆、喜びや悲しみを共有しなければならない。みんなが悲しんでいるときに悲しまない人間、みんなが喜んでいるときに喜んでいない人間は非国民(全体主義)。

 

 守護者、補助者たちの教育法

  • 物語による教育、「物語によって彼らの魂を造型する」・・・幼い子供に親は物語を読み聞かせる。幼年の魂には捺そうと望むままの型が捺され、この年頃に考えたものは消したり変えたりできないので、物語の内容が戦士や支配者にふさわしいものかの検閲を行う。例えば、物語の中で、英雄が死後の世界を恐れている場面➡死を恐れないように死後の世界を賛美するよう改変。死後の世界にある河、『コキュトス』(嘆きの河)や『ステュクス』(憎悪の河)は名前が恐ろしく死後の世界に対する忌避感を招くので、反対の特徴を持つ名前に改変する(ダブルスピーク。『1984年』では戦争を管轄する省の名前が愛情省)。英雄が嘆き悲しむ場面も削除。余談だが、マクドナルドも幼少期に味の刷り込みを行うのが戦略。

    マクドナルドの研究(2)

  • 音楽による教育、「リズムと調べというものは、何にもまして魂の内奥へと深くしみこんで行き、何にもまして力強く魂をつかむ」・・・音楽も物語のときと同様に歌詞、音階、拍子・韻律が検閲の対象となり、なよなよしたものは排除され、戦士や支配者にふさわしい音楽だけを聞かせる。(洗脳だ。音楽はトランス状態を呼び起こし、理性を奪う)。

  • 賤しいものごとを真似をしないようにする・・・賤しい(職人、手仕事に従事するひと)。階級制ではなく分業制かとも思ったが、明らかに職人を蔑視しており、「種族」などの不穏ワードがあったので、階級制だと確信。

  • 体育・・・スパルタに倣って、男も女も裸で体育。男女平等、女も哲人王になれる。

  • 戦争の見学・・・戦士たるもの幼少期から戦場に慣れておくべし。もちろん保護者同伴で戦いには参加しない。

 これらの教育を行ったあと、哲人王になるための教育(数学、哲学)や試練を課す。全ての工程が終わり、哲人王になれるのは50過ぎ(遅っ)。

 プラトンは民主政により師のソクラテスが死刑にされたので、民主政を嫌い、選ばれた人間で愚民を支配しなければならん!という発想に行き当たったものと思われる。たぶんソクラテスは哲人王になんかなりたがらないだろうが、プラトンは『国家』の内容をソクラテスが語るという体裁にしている(どんだけソクラテスが好きなんだ...)。

ちなみに米国トップ大学10校の課題図書ランキング
1位『国家』プラトン
2位『文明の衝突』サミュエル・P・ハンチントン
3位『英語文章ルールブック』ウィリアム・ストランク・Jr.ほか著
4位『リヴァイアサン』トマス・ホッブズ
5位『君主論』ニッコロ・マキアヴェリ
6位『アメリカの民主政治』DE・アレクシス・トクヴィル
7位『正義論』ジョン・ロールズ
8位『バーミンガム刑務所からの手紙』マーティン・ルーサー・キング・Jr.著(未邦訳)
9位『自由論』ジョン・スチュアート・ミル
10位『つきあい方の科学』ロバート・アクセルロッド著

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1位『国家』プラトン著   あっ・・・(察し)