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海賊宇宙船地球号獄中記

読書まとめ 1995生

日記① 5/1 BOOK・OFF遠征記

 今、読んでいる『ローマ人の物語』シリーズ全15巻はポストに投函できないほど分厚い。そして俺の家は4階にある。エレベーターはない。つまり、配達員は俺が『ローマ人の物語』を注文するたびに4階まで駆け上がらなければならないのだ。この事態を痛ましく思った俺は最寄りのBOOK・OFFで残りの巻があれば全部買っておこうと思い、家を出た。

 歩いて20分ほどかかる。自転車は随分長い間乗っておらず、放置していて使い物にならないだろうし整備するのも手間なので使わない。それに、自転車は人を轢いてしまいそうで恐ろしい。俺の運転は荒い。誰も傷つけたくないので、自転車には乗らないのだ。それに、たまにはのんびり歩くのもいいものだ。家の中にばかりいるのは良くない。外の美味しい空気を吸って……いや、外の空気は排気ガス歩きタバコの匂いで汚染されていて、とてもウォーキングを楽しめるものではなかった。汚染地帯を辟易しながら歩き、BOOK・OFFにたどり着いた時は満身創痍の体であった。

 そんな苦労をして着いたのに目的のものは一冊もなかった。結構有名なものなのにないとは。扇動家の本はたくさんあって余計腹立たしさが増した。許さんぞ、つぶれろよ!と思って憂さ晴らしに漫画を大人買いしようと思ったが、やめた。なぜなら、4日から20%セールだったので今買うと損だと感じたからだ。改めてセール期間に行こうとも思わないが損だと思ったから買えない。店頭でセールの予告をするのは、今買うと損と思わせてしまうので、フラッと入った客にはマーケティング的に有効ではないと思った。たまたま目的もなく立ち寄っただけの人間は次にわざわざ来る可能性は低いので逆効果だろう。セールの広告は当日の店頭と、チラシかネットだけで告知すればセールに狙いをつけて来る客が増えるんじゃないかと。人間は実際、損をしていなくても損をしていると思えば行動しないものなのだ。如何に、自分が得をした、賢い消費者だと思わせるのがマーケティングの極意だ。

 で、結局何も買わずに帰った。BOOK・OFF、駄本しか置いてないし、もう二度と行かなくていいかな。これからもAmazonに支配されよう。配達員も俺のために4階まで駆け上がれ。嫌なら辞めろ。自分が奴隷じゃないというのなら。いや、案外やりがいを感じているかもしれん。お客様の笑顔のためにとか。俺は笑顔を見せないけれど。